年下彼は手強いのです,
思えば、全部ここからだった。
協力するって約束取り付けたのも、スコーンを渡したのも、全部ここだ。
屋上。
またそこにいるんじゃないかと勝手に思って、掛け上がった。
ハァ、ハァと息もおろそかで苦し紛れだ。屋上へ向かうための階段。ドア前の踊り場に立っていたのは
「登駕!」
そう声を掛けたら、登駕はわたしを見た途端に目を見開いた。
「なん…でいるんだよ」
いつぶりに声を聞いたんだろう。少し低くなった声に、でも優しげな雰囲気は変わっていなくて安心した。
「捜して、たから」
「は…?」