年下彼は手強いのです,

ごくりと唾を飲んだ。

「登駕を捜してたんだよ」


最後の階段は5段。一歩、上がったところで「来るな」と激しく止められた。


「なんで…」

「いいから、来るな」


関われないと言われても、拒絶されても行くつもりだった。こんなに頭がいっぱいになるのも、胸がずきずき痛むのも、正直になれば分かってた。


登駕じゃなかったら、こうはならなかった。


「外、出ないの?」

「出れねえんだよ。上がってくんなって」

「ごめんなさい。電話もメールも、今さらムシが良いだろうけど」

「ちげえよ…」
< 176 / 209 >

この作品をシェア

pagetop