年下彼は手強いのです,

「ずっと、嫌われたかと思ってた。でもわたしは嫌いにはなれないよ」


「俺いつ真尋を嫌ったんだよ」


「『本心からは応援してない』って」


それは、と登駕は苦い顔をしてため息を吐いた。もうちょっと待ちたかったのセリフ。


「嫌ってねえよ」

「ほんと…に?」


涙声でぐずぐず鼻を鳴らす。カッコ悪い。気にしてられない。


「嫌いなヤツを抱き締めるかよ、バカ」

「バカって」


一瞬離れようとしたけど、その瞬間にまたギュウと強く引き寄せられた。


「苦し……」

「一つ言っときますけど。殴られないってことは、肯定でいいんすよね」

「っ」


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