年下彼は手強いのです,
「今日は早いけど、お弁当はパン?」
「うん、そのつもりだったし」
「ならいいけど。真尋大丈夫?」
「なにが?」
自覚ないならいいけど、とお母さんは笑った。やっぱり、見透かされてた。
「じゃあ気をつけてね」
「はーい」
ドアを開けて一歩出たら、まだ朝日は昇っておらず、薄暗くて。空を見たらまだ星がいくつかまたたいていた。
「キレイ…」
なにか良いことがありそうな気がして、あたしはゆっくり足を進めた。