年下彼は手強いのです,
「登駕」


声をあげてしまった。心臓がまたドクドクと脈を打ち出す。


「――ッ。早いんだな」

「登駕こそ」

「サボってたから。誰かさんのせいで調子悪くて」


ちらっ、と見られて「わたしの所為!?」と大袈裟に驚いてみせる。


器用にリフティングをしながら「まぁな」とニヤついている。その顔、抜け目ない。


「昨日は、ごめん」

「――え」

「でも俺、言えて良かったと思ってる」



――…嗚呼、

なんて愛しいんだろう。


< 189 / 209 >

この作品をシェア

pagetop