年下彼は手強いのです,
「登駕…?」
「前から思ってたんスけど。真尋さんて、たまにサッカー部を熱っぽく見てますよね」
――!
図星を指される。わたしの変化に彼は唇を動かしてニヤ笑いをし、「好きなヤツでもいるんですか?」。
「はっ」
「だってそのリアクション、図星でしょ」
まじまじとあたしを見ながら登駕はニヤッと意地悪そうに笑う。なんか楽しんでる…わたし遊ばれてる!?
「………否定はしません」
「ふぅ~ん」
その笑い怪しいから。わたしは制服のプリーツスカートを握りしめる。
「誰?」
来ると思いましたよ。
「だっ、誰って…」
わたしは恐ろしいほど高鳴る鼓動を抑える。落ち着けわたし。ここまで来たら誤魔化せないよ。
「……植村」
その名前を言うと彼は心底驚いたような顔をした。無理もない、植村輝はサッカー部のキャプテンだから。