年下彼は手強いのです,

「……大事に思ってるよ」

「それは俺もですが」


これ以上を言えと言うんですか…!
わたしはギュッと掌を握って、息を吸った。




「……どうしようもないくらいには、好き、だよ」




登駕はそれに満足したのか、ギュッと抱きしめてきた。久しぶりに感じる、初めて口にした【両思い】の暖かさ。



「無自覚なのがたまにズルいっすよね」

「……え」


こっちの話、と囁かれてからは周りの世界からフェードアウト。


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