年下彼は手強いのです,
第2章 突然だけど、必然的です
*生意気コウハイ
「まず、存在をちらつかせる必要があるよな」
そう言って息を吐くのは、天使の皮を着た悪魔こと。――伊沢登駕。
「ちらつかせる、って。どうやって」
「どーしようかね。おねーさん」
「ふざけないでよ。ただでさえ屋上は噂が立つのよ」
「つれねぇヤツ。今までなら喜んでたんだけど」
うわ確信犯かよコイツ。思わずため息をついてしまう。「ため息つくなー」ってだって。
「人が来るから早く進めて」
場所が昼休みの屋上。見られたらそれ相当の噂がたつに違いない…おぉ怖。
「へいへい…」
登駕もめんどくさそうにしながら屋上のフェンスを上り、ひらりと身をうえにやる。