年下彼は手強いのです,
「俺そんなに酷いこと言ったかよ」
半分面倒くさそうな表情をしながらわたしの顔を除き込んでくる。
「違うから…大丈夫だから…」
図星だったから、悔しくなっただけ。どうしよう。止まらない。
「どこが大丈夫なんだよ。顔、ヒドイぞ…」
こんなところまで来てまだ悪態をつくことをやめない登駕に怒りと…でも今は、少し有難い。
「…泣くなって」
あぁ、みっともないよね。後輩にこんなに慰められるなんて…。
――ガチャッ
「…?!」
古くて重い扉が開く音。わたしと登駕はくるりと後ろを振り向く。