年下彼は手強いのです,

「登駕!購買行ってき…たぜ」


その登駕を呼んだ人はわたしの泣き顔(しかもかなりぐちゃぐちゃなやつをだ)を見た途端、


「すんません!またコイツがやっちゃいましたか」


……と頭を下げてくれた。


その姿を見て、はじかれたようにその彼の頭をはたいたのは登駕だ。


「違う、逞磨(タクマ)!今度ばかりは違ぇから」


ため息をつきながらその男の子の方を見る登駕。


「え、またフッて泣かしたんじゃねーの?」


キョトン、と男の子。



「ち、違います…」


細い声でそう言うと、その男の子は「え……」と苦笑した。


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