年下彼は手強いのです,

「ったく…人聞き悪いよな。いつもいつも俺が女泣かせてるみたいな」


勘弁してくれよ、と苦く笑う登駕とその男の子。なんだかすごく仲が良さそう。


「あー悪ぃ悪ぃ、いつものことだからついな」

「おいコラ、喧嘩売ってんのかよ」


軽口を叩きあうふたりにわたしは呆然としながら、優しそうなその男の子を見つめる。


「……ん?あー」


その視線に気がついたのか男の子が近づいてくる。近くで見ればみるほど登駕とはまた違った顔の系統だけど、イケメンさん。

どちらかというと垂れた目に、はっきりした黒髪。

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