年下彼は手強いのです,
§


「……ハァッ…ハァ」


放課後の部活。いつものようにメニューをこなしているはずなのに。重く上がらない右足。ボールを蹴っても、上手く飛ばねえし。


……俺、動揺してる?


「登駕、お前今日は出ろ」

「いや、大丈夫です!」


コーチに叫ばれて、みんなの視線が俺に集まるのがわかる。くそ、だせえな俺。


「駄目だ。私情をサッカーに持ち込むな、そんなやつは出ろ」

「いや、でも……!」

「誰にだって不調はある。でもお前のソレは私情だろ」


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