年下彼は手強いのです,

「面白い展開だよね!まるでドラマ」


ニコニコ面白そうな祐李さんに若干苛立ちを覚える…が。「なにしに来たんですか」言えばごめんごめんと両手を合わせる。


「…あなたは、真尋の事をよく考えてると思うよ」

「え…?」

「だから、あなたは…真尋の気持ちを大事にしようとしてるみたいだけど」


サワサワと木々が揺れた。風がふたりの間をすり抜けた。



「自分の気持ちも大事にしなよ」



――自分の気持ち……


ぼんやり立ちすくんでいるうちに、彼女は去っていってしまった

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