年下彼は手強いのです,

返事は、上っ面で。
本音は、言えない。


「……今日はここまでだな!」

『お疲れ様っした!』

妙に足が重い。輝先輩と真尋がこれから…とか思ったらなおさら。


すぐに部室に入ろうとしている先輩を


「キャ、プテン」


なにか言いたくて、でも言えなくて。用もないのに呼び止めた。


…なにしてんだ俺!とひとり焦っていたら隣からさりげなく助け船が出た。


「なーにどもってんだよ。キャプテン!オレとコイツ、今日自主練していくんで!」
「え」


それはもちろん、逞磨で。俺は逞磨に目を向けた。バカ、と口パクされる。


< 93 / 209 >

この作品をシェア

pagetop