年下彼は手強いのです,
「それってまだ付き合いあるんじゃ…」
さあな、と意味深げに笑う逞磨。ちょっと待てよ、そうしたら真尋はどうな――…
「…いいや」
「登駕」
俺にはどうせ関係ないんだろ、だから別にいいんじゃないか。だってそんなのに負けないで彼女になるのが…勇気、だろ?
「俺には関係ねーよ」
「契約どうたらはいいのかよ」
「あぁ、構わねえよ」
お前、それでも男かよ。と耳元で静かに響く逞磨の声が胸を動かす。
「俺はもう、アイツが幸せになりゃいいんだよ」
またボールを蹴った。日の光に照らされて、跳ねる。
本当はなにも変わってなんかいなかったのに。