兄妹で恋しちゃダメですか?
好きなのに。
~瑠璃~

私の好きな人。

あの綺麗な顔…あの顔に微笑まれたら女子はみんな惚れる…。



私もその中の一人だ。


琉茅は気づいてないけど…。

好きなんだ…。


「…やっぱいた。」


「青くん…。」


青くんが。


「瑠璃さん、琉茅連れて行っていい?」


「あ…うん…。」


あの幼さが残った顔、
名前と同じ青色が混じった髪
クールで大人しいけど人懐っこい性格。

そこらのモデルよりも体格もいい。


全てが私にとってかっこいい…。


「瑠璃さん?一人で大丈夫?」


「え…。」


天使のような笑みを向けてくる。


「体調が悪そうだから。」


「…あ…寝不足…で。」

「そっか、気をつけてね。何かあったら呼んで。
りぃらの友達ならいつでも助けるから。」


「うん…。」


りぃらの友達…。

青くんにとって私はりぃらの友達。


ものすごく切ない…。


青くんも璃羅が好きだから…。


悲しい。寂しい。


「じゃぁ、ばいばい。」
琉茅を無理やり起こして連れて行った。


二人を見送り寝転がる。

また、好きなのに、何にも言えなかった。


好きなのに何もできなかった。


どうしたら…気持ちが伝わるの?

分かんないよ…自然と涙が出てきた。


太陽に見られないように腕で目を隠して、静かに涙を流した。

< 56 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop