heart to heart ふたりのキセキ
夢への一歩
---

あれから
いくつもの季節が過ぎて、
ついに高校生活最後の冬。

彩乃に「奇跡の人」と
言われるくらい、

純愛を貫く私たち。

奥手な私と、
妙に硬派な律。

それはそれでアリじゃないの?



「ねぇー…
やっぱ、私も行きたい」


恒例になった朝の登校デート。

毎日7時半に
うちまで迎えにきてくれる律。

うだうだ話しながら
一緒に登校するのが日課。


「ばか、おまえ補習組だろ?」

「でもぉ…」

「ほら、寒いから、
 早く行きなって」


今日は校門の前でバイバイ。

律の合格発表の日なのだ。

第一志望は、
Myかかりつけ医である城東医大。

将来は心臓系に進みたい律が
自分で決めた。


「補習なんて
 どうでもいいもん」

「どうでも良くないっしょ。
 はい行った行った」

「えぇぇ」


軽くバイバイのキスをして、
律に背中押される。
< 106 / 183 >

この作品をシェア

pagetop