heart to heart ふたりのキセキ
律の優しさが胸を締め付ける。

好きだからこそ、
律を巻き込みたくないのに。

でも心のどこかでは
律に頼ってる自分。

ジレンマ。


外が段々とうす暗くなっていく中で、
ただじっと律の腕に包まれていた。


律の息遣いとか、

鼓動とか、

体温とか、

静かに感じてた。


「…ほんとに私でいいの?」


恐る恐る聞いた。


「病気のことも
 全部ひっくるめて柚希だから、
 もう仕方ないじゃん?
 どうすりゃいいんだよ?」


ちょっと苦笑いしながら
『仕方ない』って表現した律。

仕方ないって…

まぁ、そうなんだけどさ。

どうすりゃいいんだろ?

なんかわかんないけど、
ちょっと笑える。


「なに笑ってんだよ」

「いやなんか、おかしくってw」


今の私、
変なテンションになってるみたい。

全部話してスッキリしたのかも。


「なんだよもぉー。
 泣いたかと思えば…
 笑ってんじゃねーぞっ」


そう言って律は
私の頭を小突いた。
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