heart to heart ふたりのキセキ
気がつくと、
いつの間にか寝てて、
息も楽になってた。

朝の光。

…よかった。

生きててよかった。

心から思う。


ケータイには新着メール。

今日は日課である
一緒に通学ができないから
律が心配してくれたらしい。


『ちゃんと起きた?』


しっかりしてる律。

いつまでもコドモな私。


ありがとう。


ケータイに向かって
思わずつぶやいた。




夕方、ウチにやってきた律。

手にはシュウマイ。


「うそぉー?
 ホントに買ってきてくれたの?」

「買ってこいって言ったじゃん」


玄関で思わず抱きついた。

急に抱きつくもんだから、
ちょっとよろけてる。


「な…なに?そんなに嬉しいの?
 シュウマイが?」


そういう訳じゃないんだけど…

でも、嬉しいから。


「ありがと…」

「ん。風邪大丈夫か?」

「大丈夫っ」


生きてなきゃ、
嬉しいとか、悲しいとか
感じれないもの。

律にも、
ありがとうって言えないもの。

もうちょっと、
長く生きたいなぁ…。
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