heart to heart ふたりのキセキ
「吉岡先生!」
医局から出る吉岡先生を
ひきとめた。
「少し質問が…」
オレの顔を見た先生は
全てわかってるかのように
少し苦笑いした。
「アメリカでDCMの
研究されてましたよね?
先生の論文ですよね?」
英語を訳しながら
何度も読みかえした
新しい手術法の詳細。
「そうだけど。
でも、それは見ての通り
成人して発症した症例での
研究結果しかわからない。
柚希ちゃんに適応できるかは
誰もわからないよ」
「それでも…!」
「君の気持ちはわかる。
でも、医療には限界がある。
危険を冒してまで
痛みを伴う手術する
必要があるのか?
医者としてなのか
家族としてなのか、
立場によって考え方も
変わるだろうし…」
穏やかに、
なだめるように、
吉岡先生は言った。
でも…
「先生は諦めるんですか?
こんなに頑張ってるのに、
もう先は長くないんだよって、
柚希に言えっていうんですか?」
「心臓移植を待つんだ」
「待ってるじゃないですか!
何年も、何年も!
正直、ドナーは現れないって
柚希が一番わかってますよ…」
こんなに感情的に話すのは
オレらしくないって思う。
そうなってしまうほど、
検査の結果も悪くて
柚希の心臓は限界に近づいてる。
研修医のオレだってわかるよ。
医局から出る吉岡先生を
ひきとめた。
「少し質問が…」
オレの顔を見た先生は
全てわかってるかのように
少し苦笑いした。
「アメリカでDCMの
研究されてましたよね?
先生の論文ですよね?」
英語を訳しながら
何度も読みかえした
新しい手術法の詳細。
「そうだけど。
でも、それは見ての通り
成人して発症した症例での
研究結果しかわからない。
柚希ちゃんに適応できるかは
誰もわからないよ」
「それでも…!」
「君の気持ちはわかる。
でも、医療には限界がある。
危険を冒してまで
痛みを伴う手術する
必要があるのか?
医者としてなのか
家族としてなのか、
立場によって考え方も
変わるだろうし…」
穏やかに、
なだめるように、
吉岡先生は言った。
でも…
「先生は諦めるんですか?
こんなに頑張ってるのに、
もう先は長くないんだよって、
柚希に言えっていうんですか?」
「心臓移植を待つんだ」
「待ってるじゃないですか!
何年も、何年も!
正直、ドナーは現れないって
柚希が一番わかってますよ…」
こんなに感情的に話すのは
オレらしくないって思う。
そうなってしまうほど、
検査の結果も悪くて
柚希の心臓は限界に近づいてる。
研修医のオレだってわかるよ。