heart to heart ふたりのキセキ
今日は吉岡先生の代理で
律の同期の研修医、
イザキ先生がリハビリに
付き合ってくれてる。

イザキ先生に初めて会ったのは
まだ律も大学生だったころ。

イザキ先生のおうちは
病院をやっているらしい。

医者のサラブレッド、か?


「あんまり頑張りすぎると
 また調子くずすよー??」

「…あと1分~っ…」

「だーめだって。
 はいっ!終わりっ!
 冷や汗出てんじゃん」


ベシッとティッシュを
おでこに貼り付けられ、
強制的にリハビリ終了ー。


「看護師さーん。
 血圧測ってあげてください。
 症状出ちゃったから」


あーもう…

進歩のない毎日に
嫌気がさす。

もうやだ。

泣きたい。

でも、泣かない。


「なんつーか、
 柚希ちゃんさ、
 律に似てきたよね」

「そうかな?」

「がむしゃらなところとか」

「がむしゃら…?」


律は確かに一生懸命で、
突っ走ってるイメージがある。

それが時々オタクっぽい。

…それに似てるって!?

自分では気付かなかったけど、
そうなのかなぁ?


「律もそうだけど、
 そういう姿みてると
 あーオレも頑張らなきゃ
 って思うんだよなー」

「…そう?」

「それに、2人見てると
 人を愛する、人を守るって
 こういうことかーって
 気付かされるよ」


イザキくんに言われて
ちょっと照れる。

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