heart to heart ふたりのキセキ
「自分のこともあるけど、
 海斗のことの方が
 大きい気がする。

 自分も医者になって
 海斗と同じような病気の人を
 治したいって
 ずっと思ってきたんだ」


あの時、

あの場所で、

同じ時間を共有した道重くん。


私にとっては

絶望にしかならなかった

海斗の死は、

『りっちゃん』にとっては

悲しみだけじゃなく

未来の夢につながっていた。


そう思ったら

少しだけ

心が軽くなった気がする。



「明日葉には
 『そんなに簡単じゃない』
 って怒られるかもしれないけど…」


そう言って
苦笑いする道重くん。

だけど、

思わず私の口から出た言葉は…



「ありがとう」



海斗を代弁して。

私の仲間を代表して。
< 37 / 183 >

この作品をシェア

pagetop