ユメみる夢みる僕のキセキ




「ん~~、お腹一杯だよぉ~~!」

「うぇ、俺も食い過ぎたかも……」

 どれくらい遊んでいたのか、散々屋台で食べ回って、出店で遊び疲れた頃にはすっかり空は茜色に染まって、暑かった気温も下がりすっかり涼しくなっていた。

「そろそろ、ゴールだね雫……なんか、すっごく早かったね……」

 一緒に並んで歩いている優実は屋台の方を振り返りながら名残惜しそうな顔をして、俺に行った。

「そっか……そろそろ文歌の神社なのか……」

「そうだよ、この夢の道を歩いた最後だよ……」

 気がつけばあの定食屋はとうに通り過ぎていたのだ。
 とても楽しい時間だった。
 もっと遊んでいたい、俺は優実といるこの時間が終わるのが名残惜しい。

「楽しい……一時の夢だったな。……こんな夢なら覚めなくて良いのにな」

 ずっと……このままで良いのに……

「……雫…―――笑おう…。最後は……笑って行こっ!」

 優実は俺の前に立って、自分の頬を摘まんで無理やりに笑顔を俺に向けた。

「……そうだな、笑ってねーと文歌に怒られそうだしな!」

 俺も無理やりに頬を吊り上げて、優実に笑顔を見せつけて、また歩き出した。
 先に見えるのは大きな門。
 辺りからは屋台の姿も消え、変わりに灯された提灯の明かりが入口への道を案内してくれる。
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