ユメみる夢みる僕のキセキ
第2章「本当の記憶」
……また、これか。
「うわーん、お母さーん!」
黒い服を着た大人たちの、前で泣いている子供……俺だ。
「……かわいそうにね、あんな小さい子がいるのに」
「あの子、一体誰が引き取るの?」
「親族の方達、皆して押し付け合いらしいわよ」
「無理もないわね……あの子、すごく病弱らしいじゃない」
「そうそう、死んだご両親も、ずっと心配して付きっきりだったしね。それなのに、こんな事になって……可哀そうに」
聞こえてくる大人たちの噂話。
……もう、聞き飽きた。
「嫌だよ~~僕を一人にしないでよぉ~~~…お母さぁぁん!」
幼く、小さな体で叫ぶ俺の声を、周りの大人たちは冷たく憐れんだ視線で見つめる。
そうだよ、お前らは誰一人俺を救ってくれなかった。
誰一人、辛かった俺を抱きしめてはくれなかった。