ユメみる夢みる僕のキセキ
「人は誰しも夢を見る。それは寝てみる夢ともう一つ、理想だったり、優しさだったりする。でもどちらの夢も決して幻何かじゃ無いわ。夢はその人を思えば繋がって、心の中に確かに残るものなのよ」

「うおっ!?」

 突然、真後ろから声が聞こえて来て、心臓が止まるほど俺は驚いた。

「……相変わらず、ヘタレね雫」

 そう、こんな登場の仕方をする奴は一人しかいない。

「文歌……」

「あら、なに、その目は? それが倒れたヘタレを人の居ない静かな神社の隅に運んであげた恩人にする態度かしら? ……それとも、優実とのラブラブタイムの邪魔だったかしら」

 皮肉めいた口調で言う文歌は、上から見下した憎たらしい視線を俺に向けて言う。

「……ありがとよ」

「あら、以外と素直じゃない?」

 コイツの態度はどうあれ、運んでくれたと言うのだから……
 まあ……礼の一つくらい今の俺にはどうって事ない。
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