ユメみる夢みる僕のキセキ
「これ……指輪?」

「そう、この祭りの最後……夢の最後に辿り着いた者に与えられるお守りのようなものよ」

「へぇー……で、なんで二つ?」

 文歌が俺に投げて来た指輪は、対になっているペアリング。

「一つはアンタが大切な人にあげなさい。それを付けていれば……夢が叶い、目が覚めた時にも……きっと二人は出会えるはずだから」

「そっか……そりゃまた、ロマンチックな話だな」

 二人……
 俺が指輪をあげる相手。
 夢が叶った時、側にいて欲しい相手は……

「……手を出して優実」

「ふぇ?」

 優美以外に居るものか。
 まあ、こんなもの無くったって……離れる事は無いと思うけど……
 俺は優実の手を取って、薬指に指輪をはめた。

「これで、何時だって……俺は優実を見失わないからな」

 ……ちょっと、カッコつけすぎたか?

「……えへへっ……雫ちゃん……嬉しいよっ!」

 でもまあ、指輪をはめた優実は顔を真っ赤に染めて恥ずかしがって喜んでるみたいだし。良いとしよう。
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