ユメみる夢みる僕のキセキ
ああ……また此処か。周りに見えるのは、沢山の黒い服を着た大勢の人。
朝の夢の続きだ。
「うわーん、お母さーん!」
黒い服を着た大人たちの、前で泣いている子供……俺だ。
「かわいそうにね、あんな小さい子がいるのに」
「あの子、一体誰が引き取るの?」
「親族の方達、皆して押し付け合いらしいわよ」
「無理もないわね……あの子、すごく病弱らしいじゃない?」
「そうそう、死んだご両親も、ずっと心配して付きっきりだったしね。それなのに、こんな事になって……可哀そうに……」
聞こえてくる大人たちの噂話。
そうだ……俺は昔、体が弱くて、母さんと父さんがよく心配してたっけ。この体質のせいで、俺は親戚連中から見放されて、施設に入れられたんだ。
でも幸か不幸か、両親が死んでからは、病気になる事は少なかった。そのおかげで、一人でも生きてこられた。
「お母さーん、帰ってきてよー、一人は嫌だよー!」
もう…止めてくれ……
泣いている自分の姿は、あまりにも切なくて、悲しくて、寂しい。
その時、また辺りが真っ白になり、そして……