ユメみる夢みる僕のキセキ
第3章「本当の自分は何時しか此処に」
時間が流れる事を感じるのは何時以来だろう?
気がつけば冬休みも中盤に差し掛かった頃にふと思った。
死んだはずの母さんや父さん、そして優実や文歌と出会ってからと言うもの。俺は一日と言う時間 をとても早く感じる。
この家に来る前は……何をしたって変わらない毎日に絶望して過ごしていた。
だから時間というものを、短いとも長いとも、何も感じなかった、考えた事もなかった。
「夏休みもあと十日で終わるのか……」
「も~、雫ったらそんな暗い顔しないのっ! あ、わかった! 宿題終わってないんでしょ~!」
「残念ながら、とっくに終わってる」
「えぇ~~!? みーーしーーてーーよ~~!」
「また残念ながら、文歌が先に持って行った」
「そんにゃああああああーーーっ!?」
今は毎日がとても楽しくて、もっと一日が長ければいいのにと思ってる。
永遠にこのままでいい……そう思っていた。