ユメみる夢みる僕のキセキ
 たしか……凄く楽しかった気がしたけど……
 どうしてだろう、よく思い出せない。昔の事だから忘れてしまうと言えば当然だけど……
 俺にとって数少ない家族と過ごした思い出を忘れるなんて……
 それに、覚えている中に、優実なんて幼馴染は存在しなかった。
 
「はい、雫。これ、おいしいよ」

 目の前に居る、ポテトチップスを俺に差し出す優実。
 幼馴染。俺と優実の関係らしい。別に、悪くない。
 思い出が無いのなら作ればいい。
 家族の事を忘れてしまったものはまた作ればいい。
 今は……それが出来るから。
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