ユメみる夢みる僕のキセキ
第5章「偽りと不安の心」
目を開けて茶色い天井を見るようになってから、もうずいぶん経つ。
もう、俺にとっては、それが当たり前になっていて……
孤独なんか、微塵も感じなくなっていたように思えた。
そう、もう俺には……
今の日常が、当たり前だったんだ。
当たり前を……必死に守っていたんだ……
「はっくしゅん!!」
「大丈夫か?」
「うん、ありがと」
今日から4月に入り、学校が新学期になった日の事。
「37,8℃……やっぱり、熱があるな」
朝、家に来た優実の顔色がすぐれず、体温計を渡した所、風邪をひいていた。
「うぅ……雫、学校に行かなきゃ」
「駄目だ、寝てろって」
俺は学校に行こうとする優実を自分の部屋に運び、ベットに寝かせた。