ユメみる夢みる僕のキセキ
「雫さ、言おうか言わないか迷ってたんだけど、最近のアンタ、なんかおかしいよ」

 俺は背筋が凍りついた。
 否定したくても、体が震えて、言葉が出ない……

「安心しなさい。優美に言う気はないわ」

 なんでだ、どうして、今の言葉で俺は安心したんだ!?

「な、なに言ってんだよ……」

 やっと出た言葉は、言った自分でも驚くほど動揺していた。

「解かるわよ。アンタ、優美に昔の話をされると、必ず、優美から目を逸らすでしょ。それで、中身のない定型文みたいな感想を言う。まるで、何も知らない人間が誤魔化すみたいにね」

「そ、そんな事ない!!」

「……アンタ……今日が何の日か知ってるの?」

「え、新学期だろ……?」

「……どんなに鈍いヘタレでも、アンタは此処まで言って解からないバカじゃなかったわ」

 そう言うと、文歌は何か袋を俺に渡して来た。
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