promise ~夏の約束~
翔の声は震えていて…。
いつもの翔じゃない、悲しい顔をしていた。
「当たり前だろ?雪姫の手を一度離したお前に何で譲らなきゃいけないんだ?」
それでも強気な翔はそう言いながら後ろを向いた。
もっともな意見に俺は言い返すことが出来ない。
でも…。
「…。」
何でお前がそんな苦しそうな顔をするのか。
何で泣きそうな声で叫ぶのか。
今…わかった気がする。
「ゆかりのことは、いいのかよ。」