promise ~夏の約束~
「雪姫を大好きだった親が死んでるんだぞ?
雪姫が大好きだった人が皆居なくなってんだぞ?」
『好き』がどんなに脆いものか、あいつは人一倍知ってるんだ。
そんな奴に気やすく『好き』なんて言えるわけない。
「雪姫と付き合うなら、雪姫の過去を越えなきゃいけないんだよ。何があっても雪姫の側に居なきゃいけないんだよ…!」
一度、破ったからわかる"約束"の重さ。
一度、見たからわかる雪姫の脆さ。
それを全部受け入れなきゃだめなんだ。
それを全部…、全部
愛してやらなきゃいけないんだ。
さっきまでの翔とは逆に今度は俺が泣きそうな声で叫んでいた。
…なぁ、頼むよ。
もう一度、もう一度だけ
チャンスをくれよ。
雪姫。