promise ~夏の約束~


「…ゆかり!」



びっくりして思わず声が出る俺とは裏腹に殴られた翔は冷静だった。



「…ごめん。」



翔は興奮状態のゆかりを優しく包みこんだ。



ゆかりは涙を流しながら震える右手を翔の頬に近づけた。



「…ごめっ!わ、たし…ごめ…!」



翔の腕の中で言葉にならない声を呟くゆかりに翔は「うん。うん。」と頷いていた。



俺は、その光景を他人事のように見ていた。






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