promise ~夏の約束~
―――――…
その後、ゆかりが落ち着くまで俺は屋上から姿を消した。
初めて見たゆかりの泣き顔と翔の苦しそうな声。
交差した愛情に
叶わない愛。
消えていく友情に
脆い約束。
『好き』がどれだけ脆い言葉か
『愛してる』がどれだけ重い言葉か
わかってるのに…。
二人は愛を囁いた。
「…バカだな。」
俺も翔も…。
一途な恋愛バカだ。
俺は屋上までの階段を一段、一段踏みしめるように降りていった。