promise ~夏の約束~


余裕も理性もない俺に沙織はさらに近づく。



「久しぶりだね。」



「お前が忙しいからだろ。」



沙織が中学に上がってからめっきり会わなくなった。



部活とかテストとか…。



沙織を見ていると中学生になるのがちょっと嫌だと思った。



「お前って言うな。」



沙織は俺の頬をツンツン突きながら怒る。



「ツンツンすんな。」



俺も沙織の口調を真似る。



「…変わんないね~。翔は。」



沙織は少し嬉しそうに微笑んだ。



どんどん近くなるふたりの距離。



沙織の見慣れた笑顔でさえ、俺の心は静まらなかった。






< 123 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop