promise ~夏の約束~
「…うぅ。」
それでも沙織の目から溢れてくる涙。
小6の俺には痛かった。
「わかったよ、謝るから。泣くな!何で年上のお前が泣いてんだよ。」
俺はつられて泣きそうな顔を隠すように沙織を抱き締めた。
3歳も年上のくせに俺の腕で泣く沙織は小さかった。
「ちがっ…翔は…、悪くないっ!」
俺の腕の中で泣く沙織の背中を叩きながら俺は動揺していた。
年上のくせに泣き虫な沙織。
年上のぶるくせに何一つ変わらない沙織。
「泣くなよ…。どうしたんだよぉ…。」
俺は沙織の耳元で呟いた。