promise ~夏の約束~
―――――…
それから1分だったか30分だったか1時間だったか…
とにかく時間が流れた。
―――…ガチャ
俺の目の前の扉が開く。
「…ゆかりは?」
姿を見なくても俺の前に立っているのは沙織だとわかった。
「寝てる。あの子昔から泣いたらすぐに眠くなるの。」
沙織はそう言って俺の前に座った。
「…近づくな。」
俺は頭を撫でようとする沙織に敵意をむきだした。
「…怒ってる?」
「当たり前だろ。」
俺は小さく笑う沙織を壁に押しつけた。
その時の記憶は本当に曖昧だった。