promise ~夏の約束~
「…っ!」
否定も肯定も出来ない俺は苛立ちながら沙織の手を離した。
「…ごめんね?」
沙織は捕まれていた腕を撫でながら甘い声を出した。
…この期に及んでまだこいつはこんなことができるのか。
「…帰る。」
俺は吐き捨てるように呟いた。
今は沙織を見たくなかった。
「…待って!わ、たし翔のこと…。」
帰ろうとする俺に沙織がすがりつくように腕を掴んだ。
―――…"翔のこと"?
何だよ、俺をどうするって?
まさか…
「『好き』なんて言わねぇよなぁ?」