promise ~夏の約束~


俺はすがりつく沙織の腕を再び掴んだ。



同時にさっきキスをされたくらいまで顔を近付けた。



「…んっ。」



思わず目をつむる沙織。



…何だよ、俺には勢いでキスしたくせに。



本当は怖いんじゃねーか。



本当は…好きでもなんでもないんだろ?




「…二度と近づくな。」



俺はそう言ってゆかりの家を出た。



あのままキスしてやればよかった。



あのまま犯して…、



俺を沙織でいっぱいにしてくれればよかったのに…。


最後に言うなよな…。



「『好き』なんて。」





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