promise ~夏の約束~
「…と、まぁこんな感じで俺はゆかりに近付けないわけだ。」
全てを話し終えると祐希は納得がいかなそうな目で俺を見る。
「それが何でゆかりと付き合わない理由なんだ?
沙織さんには悪いが100%沙織さんの罪じゃないか。ゆかりに話せば…。」
俺も同じようなことを考えていた。
俺は悪くない。
沙織が勝手にやったんだ。
そう思っていた。
…でも駄目だったんだよ。
「次の日…。」
何事もなかったかのように登校してきたゆかりを見て俺はホッとした。
きっとあの時は気が動転していたんだ。
あの時はたまたま機嫌が悪かったんだって。
でもゆかりは一度も俺と話そうとしなかった。
それどころか一瞬も目を合わせようとしなかった。