promise ~夏の約束~
「…。」
俺の昔話に祐希はもう何一つ言わなかった。
祐希なりに必死に俺の過去を背負おうとしているのがわかった。
「無理すんな。」
俺はそう言って祐希の髪を撫でた。
こうなったのは俺の責任だ。
一度でも沙織を受け入れた俺が悪い。
「でも…。」
いつもなら抵抗してくるくせに大人しく頭を撫でられる祐希。
「お前は、あいつのことだけ考えればいい。」
お前は雪姫のことだけ考えればいい。
お前は雪姫だけ見てればいい。
お前はまだ…雪姫を許せるだろ?