promise ~夏の約束~
8月中旬。
夏休みの課題を終わらしたことを親に報告すると、俺は足早に電車に乗った。
下宿先は雪姫のおばあちゃんとおじいちゃんの家。
民宿みたいに広い家で俺は家事を手伝いながら毎年、雪姫を待つ。
まぁ、ほとんど甘えっぱなしなんだけど。
雪姫か毎年、両親の墓参りに帰省しているのは確かだったから微かな希望に賭けていた。
「――…はぁ。」
しかし毎年のことながらこの次期は、緊張と罪悪感でいっぱいになる。
何度も何度も雪姫の声が頭に響く。
『約束ね。』