promise ~夏の約束~


出て…!お願い…!出て…!



ワンコールごとに祈る私。



出て…!



『…もしもし?』



聞こえてきたのは静かな翔くんの声だった。



「良かった!繋がった!翔くん今どこに居るの?」



私は叫ぶように話し掛けた。



『どこって…学校だけど?』



私の焦る様子が伝わったのか、翔くんも移動を始めたようだった。



「…あのね!今大変なことになって…お金!お金が必要なの…。すぐに返すから、約束するから貸して…欲しいの…。」



頭が混乱して上手く説明出来ない。



『落ち着けって。何があったんだよ?』



翔くんは私を落ち着かせようとする。



でも今は落ち着いてる余裕なんてなかった。



おばあちゃんが…。



おばあちゃんが!






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