promise ~夏の約束~
―――――…
学校から駅までは自転車で15分、歩いて30分くらいかかる。
決して長い時間じゃないのに、この時間がもどかしかった。
「…おばあちゃん。」
あれからおじいちゃんから連絡はこない。
騒つく胸。
私はふらつく体を必死に立たせた。
「…雪姫!」
聞き覚えのある声に首を傾ける。
「…ゆ、うちゃん?」
視線の先にいたのは
今は会いたくない人だった。
今は聞きたくない声だった。
でもずっと求めていた人だった。
ずっと待っていた声だった。
「…なん…で?」
息を切らせながら自転車を止める祐希。
「早く!行くぞ!」
そう言って強引に引っ張られる手。
懐かしい、昔の思い出が脳裏に浮かんだ。