promise ~夏の約束~


ただ前を見ながら言う祐希は凛としていて、何だか懐かしい感じがした。



『守る。雪姫を守よ。』



まるであの時みたい。



揺れる車内でつり革を持つために離された手を寂しく感じた。



「…そうだ!お金…。」



私は思い出して呟く。



「あぁ、大丈夫。夏にバイトして、二人分くらい余裕だから。」



笑いながら言う祐希。



そういえば夏になる度に帰ってたんだっけ…。



「ごめんね。」



無駄足踏ませてごめんね。



私のためにごめんなさい。



私は申し訳なくなって下を向いた。



情けないな。



もう頼らないと決めていたのに



もう縋らないと決めていたのに



結局ゆうちゃんには適わない。






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