promise ~夏の約束~


―――――…



ようやく目的地に着き、私たちは村で唯一の病院へ向かう。



「…走れるか?」



「う、うん!」



差し伸べられる手を無意識に握っていた。



―――――…



「…おばあちゃん!」



病院に着き、おばあちゃんの病室のドアを開ける。



「…雪姫ちゃん!?」



おばあちゃんの手を握っていたおじいちゃんが立ち上がった。



「ゆうちゃんも…。」



祐希の姿を確認してさらに驚く。



「おばあちゃんは?」



私は驚きを隠せないおじいちゃんに聞く。



ベッドに眠るおばあちゃん。



色んな機械の音がする。



たくさんの管がおばあちゃんの体を繋いでいた。



「今は、意識を失っていて…。」



おじいちゃんは震える声で呟いた。







< 157 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop