promise ~夏の約束~
おばあちゃんの姿を見た途端、私の頭は無意識に"あの時"を思い出す。
運ばれた病院の中でたくさんの管が繋がれた母親と
たくさんの機械で息をする父親。
血まみれのシャツと傷だらけの体。
…交通事故だった。
『大丈夫。絶対大丈夫だよ。』
幼い私にそう呟いた医者の顔を今でも忘れない。
大丈夫じゃなかった。
助からなかった。
お母さんもお父さんも
もう二度と帰ってこなかった!
「…っ。」
私はその場に座り込んだ。
また大切な人を失うの?
また大切な人を見送るの?
『大丈夫だから。』
大丈夫なんかじゃない。
大丈夫なんて…言わないで。