promise ~夏の約束~
「雪姫?」
小さく震える私に祐希が手を差し伸べる。
「雪姫ちゃん?」
おじいちゃんも慌てて私を椅子に座らせる。
私が、しっかりしなきゃいけないのに
私の頭が言うことを聞かない。
私がおばあちゃんを信じなきゃいけないのに
私を置いて行ってしまう気がして、
上手く顔が見れなかった。
「…意識が戻るまでが我慢なんだ。」
おじいちゃんは震える私の手を握って呟いた。
「大丈夫。雪姫ちゃんが来てくれたからきっと大丈夫だ。」
おじいちゃんのそんな言葉さえ、軽く聞き流すように耳を通り抜けた。