promise ~夏の約束~
―――――…
それから長い時間が経った。
機械の音だけが響く部屋。
誰一人、口を動かすこともなく
ただ祈り続けていた。
明日も学校だ。
もう帰らないと電車が終わってしまう。
それでも私と祐希は動かなかった。
じっとおばあちゃんを見つめ耐えた。
…お願い!目を覚まして!
何度目のお願いだろうか。
私はまた深く祈った。
―――…ピクッ
すると微かに動くおばあちゃんの指。
「…え?」
私は思わず声をあげる。
「どうした?」
祐希が驚いたように私を見つめる。
「…指が…、微かに指が動いたの!」
右手の中指が動いたの。
私達はまた祈るような思いでおばあちゃんを見つめた。
お願い!もう一度!
頑張って、おばあちゃん!